活動を始めたプチコミュニティは、動植物が成長するように成長します。スタートが肝心ですが、それで完成ではありません。成長し続けるのです、ゆっくりと。

成長するということはつまり、生きたコミュニティだということ。だからプチコミュニティに期待する状態は完成ではなく、絶えず変化し続ける柔軟性なのです。

そもそもは特定の目的のために集まった集団として始まったプチコミュニティが変化していきます。英会話を学ぶためとかの目的を達成するには時間がかかるでしょう。それでもいつか目的は完了するでしょう。

ひとつの目的が終了したとしても、それまでに別の必要が生じているに違いありません。必要に応じて目標は変化することがポイントです。コミュニティを観察して変化している参加者の必要に注意を払いましょう。

プチコミュニティは様々な目的に対応することで成長します。目的が変化することで、コミュニティは新たな参加者を呼びこんだり、硬直化した人間関係を解きほぐすような動きを生じたりします。

そのような機能がプチコミュニティに備わる理由は、コミュニティが心情的な信頼感で結びついていることにあります。ですから心情的な信頼感を醸成し維持するための工夫がそれなりに求められることを意識するべきです。

少なくとも役割を個人に特定しないように工夫することを忘れてはいけません。知り合いのコミュニティは事務的な役割を一手に担っていた人が突然入院してしまい、運営が頓挫してしまいました。

ありがちな問題として、部外者よりコミュニティの参加者が大切ということを勘違いしてしまうケースがあまりにも多いようです。参加者は何のためにコミュニティに参加しているかを考えましょう。

コミュニティの拡大よりも内部のメンバーの信頼関係や心情的な安定が大切なのです。ですから、生活時間の共有が心情をまとめる原則を利用できます。例えば、単なる食事会に参加するしてもらうことが重要な意味を持ちます。

また心情的な問題解決を再優先することはとても大切ですが、参加者同士の喧嘩の仲裁は難しいです。そのとき、振り回されたりしないために、参加者は入れ替わることが普通と思いましょう。

特定の参加者に執着しないことも大切かもしれません。重要なポストほど複数の参加者がサポートする体制を用意できるように準備していくことが賢明です。

親密度の向上と参加者の増加という2方向の尺度を用意して、自分のプチコミュニティを評価することが健全な判断につながります。参加者が減少すれば、親密度を上げる機会です。

参加者の減少は他の参加者に脱会の圧力になることが知られています。これに対応するために、慰留という対応をとろうと動く人も少なくありません。

しかし、脱会という決断をした人の内面までを評価することができませんので、慰留という対応は予測できない事態を生じるリスクがあります。ですから慰留ではなく、残った参加者に対するケアを優先することが、長期的に良い効果をもたらすようです。

4人以上の参加者でプチコミュニティは自律的に活動が始まることを念頭に置けば、プチコミュニティがそれほどストレスに弱いものではないことがわかります。

そして12人の参加者がプチコミュニティの最大値なのです。12人を超える規模になってくると、それぞれの参加者の間で期待できる心情的な信頼感を維持できなくなってくるのです。

4〜12人という人数での人間関係を上手く運営することがプチコミュニティのポイントなのです。心情的な信頼関係を維持し続けることで、時間をかけてゆっくりと成長していく、プチコミュニティを楽しみましょう。