コミュニティをスタートさせることを決意しても、実際にどのように始めれば良いのかと戸惑うことになるかも知れません。初めての経験なら当然です。ですからここでは、実際にプチコミュニティを作ることを前提にして、具体的に作戦を解説します。

社会的な必要として少し前から示されているひとつに生涯学習というカテゴリがありますが、ご存知でしょう。生涯学習とは何も、あらためて大学などの教育機関で学ぶことだけを意味していません。

このような生涯学習の枠組の中で、自分のためのプチコミュニティを作るなら、それほどの困難を覚えずに実現することが可能だといえるでしょう。

プチコミュニティを形成する大まかな流れを、目的を明示して人を集めて、コミュニティ化するという2段階にします。プチコミュニティと目的をもったソサエティとは異なるのですが、それには理由があり、メリットがあります。

何よりも目的がないと、人は集まらないという現実があります。何の集まりかわからないけれど、集まりましょうと声をかけると、ストレスだけが相手にかかります。

そのため集まりが何の役に立つのかを提示することが必要です。つまり目的です。目的が自分の必要と一致すると参加者を獲得する可能性が高くなります。なので、プチコミュニティは開始するときに当面の目的を持つことになります。

でもそこには問題も発生します。コミュニティの魅力を提示できるかが難しいという問題です。例えば、みんなで集まってスワヒリ語を勉強する会といっても多くの人に魅力を感じさせるとは思えません。スワヒリ語は日本の生活でほとんど役にたつことがなさそうです。

プチコミュニティをスタートさせるためには、できるだけ多くの人が関心をもっていることに焦点を当てた、目的を探す必要があるでしょう。

そして集まった人たちの中から気の合う人を探すことで、プチコミュニティが形成されるようになります。ソサエティとして活動を開始しても、楽しい会話が成り立つ人たちばかりではないからです。

自分がコミュニティの講師になることは必ずしも必要ではありません。英会話のコミュニティを開催するために自分が英会話の達人である必要はないのです。

講師になるためのノウハウやスキルは一朝一夕で身に着きません。まず自分がと考えているとコミュニティはいつまで経っても形成できなくなります。

なによりも講師はプチコミュニティの中心になれないのです。先生と呼ばれる立場は、あくまでも生徒に対する立場ですから、仲間ではなく、外部の人という扱いを受けます。

コミュニティの中心は運営者の中にあることが自然です。プチコミュニティでも同様です。コミュニティを運営するのは、会計・連絡・企画の三要素ですから、これらを担当する人の誰かが中心になります。

活動、運営の中心になれば、コミュニティの中心です。三要素の中で会計は責任が重く縁の下の力持ちという存在。企画は斬新なアイデアを出す能力が問われ、失敗すると人気を失います。

それに対して連絡係は事務的な責任以外にほとんど責任がありません。そして一般の参加者に一番近い立場をとれます。このことが中心的存在であることを暗示することになります。

プチコミュニティでリーダは、一般の参加者と共に取り組む仲間意識が大切なのです。この一点を確保すればリーダという要点を問われるなら、それは間違いなく連絡係だといえます。

やはり、プチコミュニティは講師になるより参加者のひとりとして中心的位置に立つことが、とても有利な考え方でしょう。そしてそれが手間ひまを効果的にかける方法だといえそうです。